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曹洞宗のおまいり

お盆
おぼん

お盆は、仏教の行事である盂蘭盆(うらぼん)が元になったもので、亡くなったご先祖様がこの期間、浄土(仏教での天国)から地上に戻ってこられます。
「お盆」は、地域によって大きく異なります。
これは、仏教のお盆と、その地域にもともとある風習や習慣が融合しているからです。

このページは円道寺のある愛知県名古屋市周辺のお盆を中心に紹介します。
皆さまのご実家や親戚の風習や習慣、そして亡くなった方のお好みも勘案し、その家らしいお盆を考えていただけばよろしいかと思います。
地方独特の風習や習慣をお知りになりたい場合は、お寺や近隣の方にお尋ねください。

お盆はいつ?

今から50年くらい前までは、お盆の期間は7月13日〜15日でした。
しかし、明治以降の新暦が一般化してきたため、暦がずれて8月13日〜15日が この期間に該当する事になりました。

日本では、地域によって7月13日〜15日をお盆とするところ(関東・静岡など)と、 8月13日〜15日とするところ(近畿・東海など)があり、8月のお盆を 「旧盆」や「月遅れの盆」といいます。

13日の夕方に浄土(天国)からお越しになり、15日の夕方に戻られますので、 地上の私たちは、その間のお世話をする事になります。(16日早朝に戻られる地域もあります)

一般的にお盆休みというと、8月10日〜15日あたりに集中して取る連休を指しますが、これは 月遅れの盆に併せてということになります。
亡くなった方が初めて迎えるお盆のこと「新盆(はつぼん・にいぼん)」といいます。
ただし、亡くなってから、お盆の始まり(月遅れの盆なら8/13)までの期間が49日に満たない場合は、 翌年が新盆になります。法事

お盆の準備

こも

「こも」とは、「真菰(まこも)」という、稲の一種を編んで作った敷物で、 お盆中お供え物の下に敷きます。

お盆の時期になるとスーパーやホームセンター、仏壇店などで売っています。

毎年購入する事になりますので、安いもので構いません。

迎え火/送り火用の薪

お盆の時期、スーパーなどで売られます。
たくさん燃やすものではありませんので、少量で結構です。

写真は「おがら(麻の茎)」ですが、松明(たいまつ)タイプも売っています。藁を使う家もあります。

送り火/迎え火は玄関先で灯します。下が焦げてしまいそうな場合は、瓦などを用意するとよいでしょう。

精霊馬(しょうりょううま)

亡くなった方が、浄土(天国)との行き帰りに使う乗り物が精霊馬です。
ナスとキュウリに割り箸をさして作りましょう。
トウモロコシの毛でしっぽを付けたり、お米で目を付けたりする家もあります。

ちなみに行き(浄土 -> 地上)は早く帰るために馬(キュウリ製)に乗り、 帰り(地上 -> 浄土)はおみやげをたくさんゆっくり持って帰るために、 牛(ナス製)に乗るといわれています。

盆提灯

お盆中は提灯を灯します。
もともとは、迎え火を提灯に移し、玄関先または仏壇横で灯したそうです。

提灯にはいろいろな形やサイズがありますが、それぞれの好みで良いでしょう。
写真のような提灯が、名古屋では一般的だと思います。

2つを対で飾ることが多いですが、1つでも構いません。

提灯は、親戚から贈るという風習があります。
贈る場合は、サイズ・個数など事前に相談してから購入すると良いでしょう。

お盆の飾り付け

お盆の期間中は、通常とは違う飾り付けをします。

地方によっては、仏壇前以外の場所(玄関など)に棚を作り、飾り付けするそうですが、そのような風習がなければ写真のような配置でよいでしょう。

お供えが多くなるので仏壇前にちいさなテーブルを用意しましょう。

A
仏壇の中

仏壇の中の本尊さま(中央)、両祖さま(左右)には、通常と同じように、お水・ごはん等をお供えします。

B
位牌

通常、位牌は仏壇内にお奉りしてありますが、お盆の時だけは正面に出します。

仏壇に引き出し式の棚があるときは、その上に位牌を並べます。無いときは、仏壇内の一番前か、仏壇前に置いた机の上に並べます。

C
提灯

提灯が2つあり、仏壇の左右両方にスペースがある場合は、 対になるように置きます。
1つの場合は、どちらか片側一方に置きます。

電灯タイプなら、お盆中、起床したら灯し、就寝時に消します。
ろうそくを入れるタイプの場合は、お参りする時だけ灯すようにしましょう。

D
お供え物

果物や野菜、そうめん(乾麺のまま)、お菓子などもお供えします。

転がりやすいものは、お盆に載せて置きましょう。

E
精霊馬(しょうりょううま)

ナスとキュウリで作った精霊馬を飾ります。

写真では、おちょこを馬(きゅうり)と牛(ナス)の水飲み用桶に見立てて 飾り付けしています。

F
お食事(お供え)

机の上に「こも」を敷き、その上に薄い木の敷きものを置きます。
敷きものが大きい場合は、その上に一膳分の食事を置きます。
小さい場合は、板1枚にお皿1枚を置きましょう。

お皿は「かわらけ(素焼きの小皿)」を使います。

箸は、迎え火/送り火で使う「おがら」を折って作ります。

お膳の数は、お盆に帰ってくる故人の数。または故人の数+1 (お連れがある場合に備え)と言われています。
ただし、人数が多い場合には、机に並べるのに無理のない数でよいでしょう。

お膳以外にも、午前午後のおやつ、デザートなどもお供えすると良いでしょう。

薄い木の敷きものは、お盆の時期スーパーなどで売っています。 無ければ布の敷きものなどで代用しましょう。

お盆のお供え(食事)メニュー

お盆中は、朝・昼・晩と午前・午後のおやつを用意します。

浄土(天国)から帰省されている方への食事ですので、 基本的に生前食べられていたものと同じようなものをお出しすればいいと思います。

ここでは、昔からよくお供えされていたメニューを紹介しますので、 参考にしながら、各家庭流のものをお考え下さい。

お供えする料理には、次のものは使いません。
1.動物性のもの(肉類、動物性の油(植物油はOK)、にぼし・カツオのダシなど)
2.臭うもの(ニンニク、ネギ、タマネギなど。(ショウガはOK))

白米ごはん

普通に炊きます。ごまを振っても良いです。

味噌汁

「にぼし」などの動物性のダシは使いません。

煮物

ダシは椎茸か昆布で取ります。

ほうれん草とにんじんの白和え

青菜のおひたし

そうめん

ナスのしぎ焼き

瓜(うり)の漬け物

お吸い物

すいか

水ようかん

だんご

練った米粉を丸めて蒸します。

お盆中にすること

13日

日が沈んで暗くなる頃、迎え火を焚きます。
これは、亡くなった方が浄土(天国)から帰ってくるときに、 自分の家がよくわかるようにするためです。

火をきちんと消してから家に入り、夜の御供えをします。

14日

朝・昼・夕の食事と、午前午後のおやつを御供えをします。

15日

朝・昼・夕の食事と、午前午後のおやつを御供えをします。

夕方5〜7時頃になったら、だんご(米粉を丸めて蒸したもの)、精霊馬を解体したもの、御供えしていた果物などを「こも」で巻き、両脇をビニールひも等で結びます。
これは亡くなった方の浄土(天国)へのおみやげです。

そして、送り火を迎え火と同様に焚き、火がきちんと消えたことを確認します。

精霊送り

名古屋では寺院によっては精霊送りが行われます (円道寺は、8月15日の18時頃〜20時頃の間に行います)。

もともと精霊送りは、「こも」で巻いたものを川や海へ流していましたが、 環境汚染の原因になってしまうため、現在は寺院に持ってきていただきます。

精霊送りを行っていない寺院もありますので、事前に確認が必要です。
また行ってる寺院であれば、檀家でなくても受け付けてくれところが多いと思います。

お寺で短いお経を上げ、亡くなった方は浄土(天国)に戻られます。

以上でお盆の行事は終わりですので、仏壇は通常の飾りに戻してください。

お盆のお経

曹洞宗では、多くの寺院でお盆の時期に、棚経(たなぎょう)を行います。

棚経とは、もともとお盆になると棚を作って位牌を置き、 その前に飾りや御供えをしてお経を読んだことに由来します。

この通りに考えれば、13日の夕方から15日の夕方までの間にお経を上げるものですが、 現実には実質2日間で、お檀家さんすべてを回ることが不可能な寺院がほとんどです。
よって、多くの寺院では7月13日から8月15日までの間に、お盆の棚経としてお檀家さんのお宅に伺います。

円道寺では、8月13日〜15日以外の日に棚経にお伺いする場合は、通常の仏壇飾りのままでお経を上げさせていただき、お盆飾りとお供えは8月13日〜15日にしていただいています。
戸別の棚経は行わず本堂で合同法要を行う寺院もあります。